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2020-06

Development story第2話 『ジーニアスロッド誕生』

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2000年正式にジーニアスロッドメーカーを旗揚げしたものの、その台所事情はずさんであった。しかし、他の仕事をしながらバンブーロッドを作ることはせず、ただただ製作に明け暮れていた。当時、プロショップ経営時代から親交の深かった(株)キロワールドにその販売を託していたため、細々ながら何とかやっていくことが出来ていたからである。

今日の私があるのは、ぺいぺいだったビルダーを何とか食わせて行ってくれた(株)キロワールド社があったからで、感謝感謝です。そのお蔭で、四六時中ロッドのことばかり考えることが出来た。これがその後のジーニアスロッドのラインナップを誕生する大きな鍵となったのです。
「創意」
最高のアクションを作り出す事は、ビルダーの宿命と感じていたし、自分自身そうじゃないと納得できなかった。しかしその道は蛇行し、本来の自分を確立するにはそれ相応の時間が掛かってしまったこともまた事実である。

当時、バンブーロッドの生命線の1つである火入れは、その方法と出来上がりに完璧と言える自信が既にあったし、実際曲がり癖が付き難く、非常に軽い仕上がりになっていた。
しかし、アクションを出す方法に少々の疑問を抱いていた。

1本のロッドを作る際、その手法は5インチごとにロッドのテーパーを決め、設定されたテーパー台(プレーニングフォーム)で6枚の竹片をカンナで削り、数値通りに削った竹を張り合わせて作る作り方が最も一般的で、この最終決定したテーパーが事実上のロッドアクションとなるのです。私も始めはこの手法でロッドアクションを出していた一人である。

今現在もこの手法でロッドを作っている方が殆どで、求める数値を的確に削ることに出来る優れた方法でもある。しかし、歴史上のメーカーは当然このような手法でロッドを作っていたわけではないし、ロッドを削り出す上で、5インチごとの設定と言うのも怪しかった。

それに、この手法は私にとって非常に過酷な作業で、出来上がったアクションを修正するにも、実に厄介な現象が発生するのであった。何処か一箇所を変更すると、今まで良かった部分が悪くなり、またその場所を改良すれば別の場所と、正にイタチごっこと言うに等しかったのです。つまり、何が問題であったかと言うと、5インチごとのテーパー設定でアクションを決めていかなければいけないことに、疑問と、厄介さを感じていたのです。

ご存知のように私はフランスのメーカー“ペゾン・エ・ミッシェル”の崇拝者である。
だからと言って、決してペゾンのコレクターではありません。だから所有するロッドもたかが知れているが、兎に角ペゾンが好きでしょうがなかった。そういう意味での崇拝者である。
あのキャスティングフィーリングは他のどのメーカーにもなかった。だからこそ自分であのフィーリングのロッドを作りたい思いは何時もあり、常に追いかけていた。
しかし、残念なことにどうしても一般的手法では作ることが出来なかったし、本当に出来るとしても、たった1本のロッドを誕生させるのに、膨大な時間が掛かってしまう。この事実は、たとえ商売抜きで考えてもナンセンスに思えた。

そこで私は、ある構想を実行することにした。
先ず初めに友人、知人・・ありったけのペゾンを入手し、その全てのデーターを取ったのであった。データー取りしたロッドの数は、実に30本を裕に超えていた。
そのデーターを、私なりに分析すると、ある一定の法則が見えたのであった。
それは、30本以上のデーターを集めたのにも関わらず、そのパターンは何と数種類しか存在しない。「やはりそうだったか!」自信が確信に変わる瞬間でもあった。
その時、今まで何と無く「そうではないか?」と思っていたことが、紐解けた。

「3色への挑戦」
そうと分かれば、テストロッドの製作開始である。
私は、ペゾンのデーターを基に自分なりのテーパーを考え、アクションと番手を一グループとし、ティップ3種類、バット3種類合計6テーパーの基本テーパーを作り出し、各々の組み合わせでアクションを捻出する手法を試みることにした。
全長1500ミリの長さの異なるテーパーを6本(ティップ・バット)用意し、その異なるテーパーを欲しい曲がりと欲しい番手に適合する場所でカットし、ティップの3種類とバットの3種類をそれぞれ組み合わせてアクション検証をするという至って単純な発想の手法である。
しかし、この方法が上手く行けば、それぞれの組み合わせに加え、ティップの長さ、またバットの長さ等、数センチ単位で変えていけば、無限大のアクションが完成するはずであった。

まず私は、ジーニアスロッドの“売り”でもある#6以上のタックルからこの手法で作ってみた。ティップが3種類、バットが2種類で、ファーストテーパーのものとスローテーパーのものをそれぞれ用意した。
そして、お手本となるペゾン(ファリオクラブ)のティップセクションとバットセクションをそれぞれに当社独自の計測方法に従い、同じ曲がりの部分を見つけ出し、お手本とほぼ同調するところでブランクをカットして用意した。
そして、5種類のタイプの異なるブランクが出来上がったのです。

ティップ3種類を2種類のバットに付け替えることで、総種6パターンのアクションが一気に出来上がったのです。

そして・・・結果は驚きの連発であった。
今までどうしても出せなかったペゾンフィーリングが、見事に具現化されているではないか! 勿論中には、使い物にならない組み合わせもあるが、“凄い”の一言で全てが済んでしまうロッドもあった。
基本的にテーパーやそれに伴う要素が違うので、お手本と全く同じにならないのは分かっていた。しかし、この手法を試みた結果、自分の中でくすんでいた何かが一気に発散したと言うか、まるで、知恵の輪を解いた瞬間のような何ともいえない爽快感が芽生えたことは今でも覚えています。

この手法は、それからのジーニアスロッドの全てに採用され、新生ジーニアスロッドが誕生したのです。
それは、2003年の冬のことであった。


続く・・・次回Development storyは、SummerDragon/Skues誕生秘話

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