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2020-05

Development story第3話『Summre-Dragon』

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「ファリオクラブ」と同調させてカットしたブランクの各々の組み合わせは大成功だった。
面白いもので、テーパーの違いが、組み合わせではっきりとその良し悪しが出る。
バランスの良いロッドとは、ティップとバットの微妙なテーパーの違いから生じることもこの事実をもってはっきりした。そして、必ずしも同テーパー同士の組み合わせが、良いとも限らないことも分かった。
もし私が、一般的な5インチ刻みのテーパーでロッドを作り続けていたのなら、この事実を解明することは無理だっただろうし、今もクスぼった思想や迷路のようなテーパートリックに苦しんでいただろう。

平均値をとってテーパーを出し、その各部分を採用することで最高のアクションを作り出せることに気を良くした私は、本来のジーニアスアクションを作り出すため、新たなテストブランクの製作に掛かった。
ただこの段階では、様々な組み合わせでどのような現象が発生するのかを今一度把握するため、あまり難しく考えないでテーパーを作り上げてみた。
アクションも大体の構想はあったものの、決定した物を作ろうと決めていたわけではなく、言葉は悪いが、出たとこ勝負みたいな感覚で、長さもそれに伴い決めていなかった。と言うより決め様がなかったのである。

先ずティップは、ファーストテーパーでありながら、その曲がりは、負荷の初期段階で全長の丁度2分の1のところが作用する様、削りだした。これはティップと言う役目を考えた時、あまり強すぎるテーパーだと、先端部分が極端に弱くなるし、反対にスローすぎても、今度は返りが遅くなる。その為最も理想的な作用を求めた結論であった。
ティップのパターンはこの1種類のみにし、カット場所を変え、長さと強さの違うものを3本用意した。

次にバットだが、ファーストテーパーのものと、スローテーパーのものをそれぞれ用意した。バットの作用は、私の中での条件は非常に単純であった。
それは、良く曲がる物かそうで無いか、また曲がりの頂点をどの辺りに持ってくるか、たったそれだけであった。
このバットもティップ同様、各々にカット場所を変えたものを合計4本作ってテスト開始である。

各々のブランクに分かり易い様に記号を書き込み、組み合わせを変えて振ってみた。
結果は、想像していた以上に遥かに出来が良い。
今の今まで5インチの制約に悩まされていた事が一体なんだったのだろう?
組み合わせによっては、全く完璧と言えるアクションも誕生した。
その最高の組み合わせのロッドは次に、より完璧にするため、グリップ位置を決め、ガイド位置をちょっとずつ変えながら、最善のフィーリング場所を探し出した。
そして全長を図るとセミファストアクションの2548mm約8’4”のロッドが誕生した。

この8’4”は驚くほどラインスピードが上がり、6番のライン全てを簡単に飛ばすことが出来た。しかも、比較的バットがしっかりしている中、意図的にその力強いバットを曲げることも出来、実に自由自在であった。
フィールドテストでもフローティングラインは勿論、シンキングラインやシューティングヘッドの使用、近距離からフルラインまで、長さ重さといい、何処もケチの付け所がないロッドに仕上がっていた。
このアクションは、6番を使用したいフィールドの全てで活躍するはずである。
ドライフライからアップ、ダウン・アンド・アクロスに係わらないでウエットフライにも使えそうだ。
正に新生ジーニアスロッド誕生に相応しいアクションが、この時点で誕生してしまったのである。

全くナンセンスな現状からの誕生と思われるだろう。それもそのはずである。ロッドを作る上で、先ず何に使うのか?つまりコンセプトがあり、そのコンセプトに適合する番手、アクション等を決まるものであるからだ。
しかし、私が試みた手法はこの段階では全くの逆発想で、作ったものに対して何に使うかを決めると言う摩訶不思議な現状に、自分の事ながら驚いています。
しかし、良い物が出来てしまったのだからしょうがない。これが、“偶然の産物”と言うものであろう。

記念すべき第1号をリリースするにあたり、ロッド1本1本に名前を付けることにした。
そのロッドは、6番ラインを物凄い勢いで、まるで1匹の竜が怒りをあらわに大きな口を開け、炎と化して飛んで行く様なイメージから、「サマードラゴン」と名付けることに決めた。
しかし、このサマードラゴン、実は沢田賢一郎さんのフライパターンであったため、私は沢田さんにお許しの一報を入れたのであった。
すると、沢田さんは「フライの名前はもう一人歩きしていますから、どうぞ使ってください」と、こころよくおっしゃってくださいました。

Summer-Dragon 8’ 4” #6 が誕生した瞬間であった。

そしてこの時、もう1つの組み合わせで、またもや奇跡的なアクションが生まれていたのであった・・

Skues誕生へつづく・・

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