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2020-06

Development story第4話『Skues』

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Summer-dragon(サマードラゴン)が出来上がった同じ日、もう1つの奇跡的アクションが誕生していた。
長さとテーパーの違う各々のブランクは、どの組み合わせも実に個性的で、ティップとバットをとっかえひっかえ、実にワクワクの連続であった。
一日中こんなことをやっていても飽きることは無く、そのデーター取りはノートを埋め尽くしたほどであった。
それもそのはずである、テーパーはティップが1パターン、バットが2パターンの合計3パターンであるが、ティップ3本、バット4本、それぞれに作用の異なるブランクの組み合わせを変えて試すと言うことは、単純に12本のロッドを検証していることとなり、1本あたりグリップ位置やガイド位置を変えて試投するわけだから、全て検証するための所要時間は容易に想像して頂けるであろう。
しかし、私はその膨大な時間も、いっこうに気にならなかった。それよりもむしろ楽しくてしょうがなかった事を今でも覚えている。

ほんの僅かグリップをずらすだけで、その性格はまるで違って伝わってくるし、ガイド位置に至ってもそうであった。また、物凄く曲がるにも拘らず、6番ラインがぶっ飛んで行く組み合わせもあった。
同じティップでも、弱く感じる組み合わせや、強く感じる組み合わせがあって実に面白い。
そんな中、サマードラゴンの他に、もう1本素晴らしい組み合わせを見つけ出すことが出来たのである。
そのアクションは、前回ファリオクラブと同調させたブランクでテストした、いわばレプリカファリオ的ロッドより、ファリオっぽいアクションであった。
しかも本家のものより随分軽く感じた。

「これは大変な発見である」・・・私はいてもたっても居られ無くなり、わざわざ本家ファリオクラブを取りに戻り、振り比べる事にした。
工房まで車で15分ほどであるが、信号待ちがわずらわしい。早く早くと気持ちはあせり、早く振り比べたい一心であった。ようやく工房に到着し、慌てて本家を手にし、またキャスティング場まで戻った。

両方のロッドにラインを通し、まず、今一度テスト6番を振る。
相変わらずラインは口笛を吹いた様な音を立て、勢いよく飛んで行く。私は心の中で大きくうなずき、その出来栄えのよさに納得していた。
そして・・・本家ファリオクラブである。
私のファリオはもう随分使い込んで、グリップも真っ黒である。このロッドは色々な思い出があり、私の一番のお気に入りであった。

最初の一振り・・ おぉ~~!ファリオだ。 この独特のフィーリングは、やはりペゾンであった。

う~ん・・良く似ているが、全く違う。うちのロッドはこの竿より随分軽快であった。

つまり軽く振れるのである。軽い分本家独特のモッチャリ感と言うか、ズッシリ感と言うか、何とも表現し難い感覚が少々違っていた。
シャフトその物の太さも、テスト6番の方が本家より一回り細い。
「まさか?5番の方が相性が良いのか?」念の為5番ラインも振ってみる。
やっぱり6番である。かなりのロングでは5番の有だが、各々のレンジを考えれば6番であった。

本家と違ったのはシャフトの太さだけでは無かった。それは、圧倒的にショートレンジが撃ちやすい様に思えた。
10ヤード以内の距離でも見事にティップが作用し、等しいループを展開してくれる。
だからといって、ティップが弱いわけではない。
ミドルもロングも、十分すぎるほどそのロッドは仕事をしているではないか。
よし!これで行こう。スローなアクションは正にウエットフライに打って付けであったし、先のサマードラゴンとは全く性格が違うため、この2本で6番の用途はカバー出来る。

早々私は、フィールドに立った。
やはり竹竿のトルクは凄まじい。 水面に浮かんだ長いラインを一気に抜き上げ、また同じ場所にキャスト出来てしまう。
帰りの車中では、ロッドのネーミングばかり考えていた。
候補は色々あったが、いまいち“ピン”とこない。

数日後、私は何気なくウエットフライパターン集を見ていた時のことであった。
数あるパターンの中に『スキューズ』と言うパターンに目が止まった。
そのパターンは、なんて事の無い普通のウエットフライだったが、何ともいえない釣れそうな感じであった。そのとき!これにしよう。 Summer-Dragonに続き、このロッドをSkuesと名付けることにした。肝心の長さは8’ 5” #6と申し合わせたようにファリオクラブと同じであった。

発売と同時にサマードラゴンとスキューズはそのポテンシャルの高さに驚かれた。
中には、「6番で8フィート超えているのに、どうしてこんなに軽いんですか」と質問してくる人もいた。
以来この2本の6番は、ジーニアスロッドの代表作となり、各地の展示会やイベントで触る方皆を驚きと感動を与え続けてきた。

そして2007年・・・

本家とは「似ているが全く違う」部分を追い続け、接着剤の変更と、それに伴う少々のテーパー改良により、更に進化したパラボリックシリーズはパワーボウと改名し、シリーズとして再出発したのである。


Silence Mob誕生へ続く・・・

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