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2020-05

詞藻

ご存知の様に、私は2000年にトーナメントキャスター出身の異色ビルダーとして登場いたしました。 実はこの言葉に自分自身も、些か戸惑いを感じながら今日にあると言っても良いでしょう。しかし一方では、世間がそう思っているのであれば、素直に受け入れた方がいいとも思ってきました。

2007年、早いものでビルダーとしてデビューして7年が経とうとしています。
この7年間に私なりに展示会やイベント等、出させて頂き、ジーニアスロッドをアピールしてまいりました。
年を重ねる度、徐々にではございますが支持してくださる方が増え、7年が経過した今、「ジーニアスロッドじゃないと」と言う有難いお客様もいらっしゃいます。
しかしその一方で、私がトーナメント出身ビルダーや、ペゾン崇拝者と言うだけで、硬いロッドだとか、遠投用ロッドだと勝手なイメージが先行しているようです。
これもまだまだジーニアスロッドという知名度の低さから起こる現象でしょう。

そこで、今一度ジーニアスロッドというものがどんなものなのか、また私新藤は、どんな考えからロッドを作っているのかを、出来るだけ正確な表現でお伝えしたいと思っております。
今回は、写真の無い非常に地味な構成ですが、2007年最後のくだらぬ遠吠えだと思い、最後までお付き合い頂ければと思います。

『バンブーロッドのポテンシャル』
ロッドの話はやはり一番愛好者の多い渓流用のライトラインで進めていきましょう。
渓流のフライロッドは、おおむね3番から4番が一般的でしょう。近年では更に軽いラインで釣ることが何やら流行の傾向があるようですが、やはりまだまだ3~4番をメインに使用しておられるアングラーは多いはずです。
読者の皆さんは、ロッドを選ぶ際、何を基準にしておられるのでしょう。
メーカー等のカタログにはそのロッドのプロフィールが実に短い文で見事に表現されています。

例えは、あるメーカーのプロフィールの中に、こう言った一文を発見したとしましょう。
「4番でありながらそのポテンシャルは高く、4番を全て投げきることが出来ます」・・と!
この説明文をご覧になって、どのように感じられましたでしょうか?

「4番で全部投げても、フィールドでは意味が無い。全く無駄なロッドだ」・・や
「そんな硬いロッドで何を釣るの?」・・等 こういった感想を抱いた方は、もう少しロッドに関して柔軟な解釈をしてくださいますようお勧めいたします。

イメージとは時として実に厄介なものです。
トーナメントキャスター=遠投=硬いロッドと言う図式が出来上がっているのでしょうか?
4番を全て投げきることが出来ると聞いただけで、硬いだの・意味が無いだのと勘違いされてしまう。 
「投げるためのロッド」と「投げることが出来るロッド」とでは全く意味が異なり、前者プロフィールであれば、「4番で・・????」となるかもしれません。
しかし、「投げることが出来る」の場合、目的は全て投げることではなく、「投げられるポテンシャルを持っていますよ」と言う意味合いとなるわけです。
正にジーニアスロッドがそうであるように・・・

この「投げることが出来る」の意味合いが実はロッド作りに実に重要な項目であることをこれからご説明いたしましょう。

ここでビルダーAさん(比較対象のための架空の人物です)の登場です。
Aさんはこう言う・・「しょせん渓流は10ヤード前後で釣りますから、その距離で最も気持ちよく投げられるアクションにいたしました」と!
この考えはビルダーAさんのコンセプトですので、決して否定はいたしません。しかし私のロッド作りのコンセプトにはAさんのような考えは全く存在いたしません。
なぜならば、渓流を釣り遡がる際、何時も同じ条件で釣が出来ないからです。
つまり、様々なポイントを攻める際、そこに一番適したスタンスや投げ方がある訳で、その投げ分に応えてくれるロッドこそ、フライロッドとしての役目を全うすると考えているからです。
それともう1つ! 
グラファイトロッドではそのコンセプトは様々であっても、一応にフルラインが投げられるポテンシャルは全てのロッドが持ち合わせているにも拘らず、ことバンブーロッドになると、どうして射程距離に制限が出てくるのかも理解に苦しむところです。

『プログレッシブの真相』
フライロッドにおける理想のアクションをテーマに話をしたとき、その殆どの方がプログレッシブアクションと言うものに共感するでしょう。
しかしこのプログレッシブと言う意味合いも、今日では非常に曖昧になってきているのも事実です。
一般的には「ライン負荷や荷重に応じてティップから順にバットへと曲がりの頂点が追従していくメカニズム」をプログレッシブと解釈されています。
このプログレッシブ理論は、キャスティングメカニズムと密接な関係があり、その解釈を誤ると、単純にラインを徐々に長く出していった時に発生するライン負荷や荷重だけを考慮したメカニズムになりがちです。これを出来るだけ短い文章で正確に伝えるとするならば、「ライン負荷や加えられた荷重に最も適した場所が作用し、その負荷や荷重が増えるに従い、バット側へと曲がり頂点が追従していくメカニズム」となるでしょう。
この「最も適した場所が作用する」ことが重要で、アングラーがロッドのどの部分を作用させて投げたいのか?その結果どんなスピードでどんなループを展開したいのか? この作用を瞬時に受け止め、適した部分で仕事をしてくれるロッドこそが、真のプログレッシブアクションと言うに相応しいと思っております。

このメカニズムを究極のアクションとして具現化したのが正に“パラボリックアクション”と言われるものです。
この手のロッドは、それぞれのレンジで最も適した場所が作用いたします。また、同じ距離内でもアングラーがそれ以上の負荷をロッド与えてやりたい場合には、キャスティングフォームの変換でよりバット側を作用させることが出来、この事実は様々なポイントに適したアプローチが出来る事となり、フライロッド史上最も相応しいアクションと言われた所以でもあるわけです。

例えば、スロースピードとハイスピードラインを同じ長さのラインで投げ分けた時、一見してハイスピードの方が、明らかに速いサイクルでロッドを前後に動かしている様に見えるはずです。勿論速く動いているに違いないのですが、キャスティングをよく理解されていない方が見た場合、単にリズムやテンポが速くなっているだけと解釈されがちです。
これは全くの誤りで、よりバットを作用させることにより、以前より大きく強く反発しますから、結果速くロッドが動くということです。

この様々な距離や様々な投げ分けは、残念ながらロッド任せに出来ないこともまた事実です。目標とする距離に適した投げ分けは、腕や手首の微妙な作用が求められるもので、この一連の投げ分けをよりスマートかつパーフェクトに行ないたい方は、やはりキャスティング練習しかないでしょう。
練習に練習を重ね、おしゃべりしていてもフルラインが簡単に飛ばせる技術(少なくても5番以上のロッドでは)を是非習得して頂きたい。
そこまでのレベルになれば、ロッドの良し悪しがおのずと見えてきます。
またキャスティングが出来る奴ほどパラボリックを好む傾向にあり、この事実は意のままに操ることの出来るロッドこそ本当の意味で「気持ち良い」ロッドだからでしょう。

このことからも、ビルダーAさんの「気持ちよい」と私の「気持ちよい」は全く別物と容易にご理解いただけるはずでしょう。
バンブーロッドもフライロッドとしての道具である以上、妥協して使うものではなく、竹と言う素材の持ち味を最大限に生かすことにより、時として最新鋭以上(渓流では)の性能を生み出すことも出来るものです。
様々なステージでパーフェクトに作用するロッドは、たとえ必要がなかったとしても、リールに巻いているラインを全て投げきることが出来るものなのです。

道具と言うものは、何に使うかでその性格や用途が違うのは当然です。
同じ渓流でドライフライをするのと、ウエットフライをするのとでは、コンセプトは違って当然ですし、勿論アクションも異なります。
しかしその中には、ここまで飛べば十分とか、どうせそんなに飛ばさないから・・なんて考えは一切存在いたしません。

トーナメントキャスターはキャスティングの探求に余念がありません。
明けても暮れてもキャスティングのことばかりです。少なくても私はそうでした。
そのキャスターがやがて指導者となり、アングラーとなり、バンブーロッドビルダー言う肩書きを背負った今、それまでに習得した技術や思想を活用し、より優れたロッドを作って行くことが私の人生であり、ビルダーの宿命と考えます。
「飛ばすことの出来る」ロッドを目指して・・
そして、今の私はカッコイイフライフィッシングの探求に余念がありません。

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お返事

辿り着けないからフライフィッシングって面白いと感じております。 

タネ明しされてからマジック見たり、答えが分かってるのにクイズを出されたりしても、全然面白くないでしょう! それと同じような気がします。

私自身、フライフィッシングに興味を持ち出した時から今のような志があった訳ではなく、色々な事に手を出してきましたよ。。
流行も追っかけたことありますもん!(汗)

でもやっぱりフライフィッシングはフライフィッシングじゃないと駄目と分かったと言うか、それが面白いんですよね!
つまりフライの道具を使って釣りをしているのは自分自身嫌なんです。。

そんな人のために少しでもお手伝いが出来ればと思い、いろいろ無い知恵絞って発信しております。。

どうか、温かく見守って頂ければと思います。


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