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2024-03

Development story第6話 『Crimson-Beauty』

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ペゾン・エ・ミッシェルの中に「ブレトンビリエール」と言うモデルがあるのをご存知だろうか? PPPシリーズの中でも7’ 6”の長さは、日本の渓流に最も幅広く活用できることからその愛好家は多いことでしょう。
この「ブレトンビリエール」そのまま4番で使えるロッドが欲しくなり、開発に着手したロッドが、今回のDevelopment story第6話の主人公『Crimson-Beauty』クリムソンビューティーである。
『Crimson-beauty』クリムソンビューティーの語源には特別意味があるわけではないが、当初ジーニアスロッドのメインスレッドにハニーブラウンを採用していた時、フェルールの上下だけにレッドラップを施していた。
そのスレッドには、塗料を数回の重ね塗りをして完成させるのだが、工房を訪れる殆どの方がこの赤い部分を見て「綺麗ですねこの赤」と言う。
その言葉を直訳して横文字にしたのではあまりにも“ベタ”であるし、語感がいまいちである。よって赤をクリムソンともじり、『Crimson-Beauty』クリムソンビューティーと命名したのだが、まだこの時点では名前だけが生まれただけでどのモデルに採用するかは決まっていなかった。

幾通りかのパターンとの組み合わせで、求めるアクションが出来る事にすっかり気を良くした私は、ライトラインもこの方法で作ることにしたのは言うまでもない。
ライトラインを作る上で、今一度ペゾン・エ・ミッシェルを良く観察していると、あることに気が付いた。
「え・・! ひょっとしたら・・」そう感じた私は、もう一度ありったけのペゾンを継いで1本1本検証してみた。
「確信はないがおおむねそんなところだろう」私はペゾンならでは・・いや!「らしい」と表現した方は伝わるだろう。ペゾンらしいテーパー方程式に気が付いたのであった。

2004年 秋
スキューズやサマードラゴンを作った時のように、幾つかの異なったテーパーをたたき台に最善の組み合わせを探すことにしたのだが、今回は比較的骨を折らずに完成した。
と言うのはスキューズやサマードラゴン、またサイレンスモブ等を開発した時、どんなテーパーを何処でどの長さにカットすれば大体どうなるかを理解していたからである。

しかし理屈とは裏腹に、この実験は非常に面白く、私をドンドン引き付けていった。

ブレトンに変わる日本のドライフライアクションを作りたいと思っていた私は、まず7’ 6” #4を作る事にした。
これまでの製作基準は出来上がったロッド・・つまりアクション優先で長さは二の次だったのに対して、このロッドはアクションと長さを同時に追求することにした。


まず、ブレトンと同じ曲がりをする位置を数本のブランクから各々に作り出し、事前に用意してあったティップと組み合わせることにした。
この手法は以前ファリオクラブチックなアクションを捻出した時と全く同じ方法である。

幾通りかの組み合わせの中に、かなり理想的なアクションを見つけ出すことが出来たが、全体的に“強すぎる”感があり、あと少し贅肉を落とすことにより、ほぼ求めるアクションが完成した。

早速そのロッドを手にジーズン終盤の渓流に出かけた。
本家のアクションより少しスローな感じはあったが、かえってそれが丁度良かった。
正に長さと言い、番手と言い、またアクションと言い、日本の渓流で使うには打って付けのアクションであった。
モデル名は、あの「赤が綺麗ですね」・・から生まれた『Crimson-Beauty』クリムソンビューティーを採用することにした。
2004年の秋の出来事であった。

そして・・・

2008年の現在、『Crimson-Beauty』クリムソンビューティーはライトラインのシリーズの中で一番人気となり、日本の渓流のスタンダードモデルとなった。


次回は『ディ-プレイ誕生』の開発秘話・・・へ続く


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