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2020-05

Development story第7話 『Deep-Ray』

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ロッドアクションによるフィールドでの使い分けは、どれくらいの割合で目的とする用途をカバーできるかである。目的用途を100%とするならば、100に近かければ近いほど○○専用となり、その割合が幾つかに分裂すれば、オールラウンド色が強くなると言える。

『Deep-Ray』(ディープレイ)水底で輝く・・と名付けられたこのロッドは、易々と水面までその姿を現す事の無い大物を、ウエットフライで仕留めて頂きたい・・
そんな強い思いから開発したモデルで、正に限りなく100%に近いウエットフライフィッシングと言う用途を具現化いたしました。
水深のある何時ものプールには今日も“奴が”いる。 釣れるもんなら釣ってみろと言わんばかりに時折ふっと浮いてきては直ぐに沈んでいく。
一体何人のフライマンが“奴”を狙ったであろう・・その数は優に100人は超えている。百戦錬磨のつわもの達も“奴”には敵わないようだ。

とある日・・夕方には少し早い時間帯、一人の男が何時のもプールに立っていた。
その日は昼過ぎに凄い夕立があり、そのために一気に川の水が増えた。
やがて濁りも徐々に取れ、水位は若干高いもののその流れが落ち着いていた。
丁度その時間帯に男はそのプールにいた。 
ラインは5番のダブルテーパーフローティング。
リーダーは2Xで、全長13フィート少々にセットする。
0Xティペットをリーダー先端より60センチほど離れたところにドロッパーとして括った。
フライは当然・・お気に入りのあれとあれである。

男はダウン・アンド・アクロスでそのプールを釣り下った。
斜め下流に投げたラインが流れに押され綺麗な弧を描きながら流れている。
男はその膨らんだラインを、張るとも緩めるともせず、絶妙のテンションでフライをスイングさせていたその時 、ロッドが強い衝撃と共に引っ手繰られた・・

実はこの話、すべて私の妄想である。
『Deep-Ray』(ディープレイ)が生まれた瞬間、正にこのような妄想をも起こしてしまうほど魅力的なアクションであったのだ。
長いティップにスローテーパーの短いバットは、ティップが最初に作用し、続いてバット、最後に中央が作用するアクションであり、正にウエットフライをするには打って付けであった。
小規模な川でのウエットフライ用のロッドを開発したかった私は、今までの様な手法に加え、出来上がったティップをそのまま採用してはどうかと考えた。
つまりティップの使い回しである。
かなり言い方は悪いが、この「使い回し」れっきとした考えの下に行なっているので、読者の方々、くれぐれも誤解の無いようお願いいたしますよ。

丁度クリムソンビューティーが誕生した時、思い切ってそのティップを採用することにした。これは、非常に良く出来たティップと言うことに加えて、ペゾンのブレトンビリエールとコロラドのティップも同じものを採用していたからである。
以前ペゾンのデーター取りをしていた時から分かっていた私は、その手法に倣いバットのテーパーを変えたもの数種類を試してみることにした。
結果はもう言うまでも無い・・実に“ビンゴ”であった。
スローアクションから繰り出されるループは、力強く、曲がった分に比例した反発力は、5番のラインを投げるには、十分すぎるパワーを有していた。
使い回し恐るべし・・であった。

アクションを作り上げるこの手法は実に面白い。
およそ60年前、リッツはピエール・クルーズボーの協力の下、様々なシャフトを繋ぎ換え、「あーでもない、こーでもない」と審議していたのだろうか? そして、そのロッドの製作を担当したのはフランスのアンボワーズと言う町にあったペゾン・エ・ミッチェルであった。ア・フライフィッシャーズライフの写真の1シーンからその様子がうかがえる。

フライロッド史上最高のアクションと言われたパラボリック・・ 
私は『Deep-Ray』(ディープレイ)が誕生した時に確信した。
現在当社が採用している製法は、優れたロッドアクションを生み出す最も適した方法だと! 

次回は『ホスキンス誕生』の開発秘話・・・へ続く


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