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2020-06

もう一つの理由

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今回の秋田釣行には実は、もう一つ大切な目的があった。

それは・・

Handsome Boy に続く“池田浩悦ロッド第2弾”のテストがあったからだ。。
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実はハンサムボーイが出来上がった6年前から第2弾の構想は池田さんの中で確立していた。
それは、ハンサムボーイのアクションを有したショートロッドである。

ハンサムボーイ発売から2年目の事だったと記憶しています。
ある日池田さんと電話で喋っていると、池田さんは「新藤さん、何時か6フィート代の短いロッドを作って
ください」と、私に伝えた。
「ハンサムボーイでは少し長いと感じる川で、ハンサムボーイと同じ使い方が出来るロッドです」

しかしその頃の私の頭の中は、シリーズ第2弾であるSpeedStar“平岩豊嗣ロッド”の構想で頭が
一杯であった。
あれから6年、漸く数年前の池田さんのリクエストに答えられる日がやって来たのです。

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スペックは6'9" #4 ハンサムボーイとは約5インチ(12.7cm)短いドライフライロッドである。

このロッドを作る上でテーパーデザイン等、池田さんの考えを随分採用させて頂きました。
池田さんは、ハンサムボーイテーパーを基本とし、どの部分をどうするか?細かな指示をされました。
そして今回は1本のティップに2本のバットを用意しました。
ジーニアスロッドのお家芸とも言える長いブランクを、カットする位置でアクションを捻出する方法で、
1本は強いところでカットしたバットをAとし、そしてAより少し弱い物をBとして2本の異なるアクシ
ョンを作りました。
後は池田さんに使って頂き、感想を聞くだけ・・
今回の5月25日からの秋田釣行に何とか間に合い一安心でした。。

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宿屋で池田さんと待ち合わせた初日の夕方。
幸い鳴海さんも居る事だからと、早々キャスティングを・・

強いバットAと弱いバットBを振り比べる。
ジーニアスロッドユーザーならもう言うまでもないと思いますが、念の為注意して頂きたい。
弱いバットとは“柔らかく腰が無い”という意味では無く、Aを基本にした強さよりBの方が弱い
と言う意味ですので、ご理解を・・

池田さんは初めて手にするロッドでも、4番ラインをいとも簡単にほぼ全てを投げきった。
鳴海さんが投げ、静岡のAさんも投げ、宴会の前にキャスティングでも大いに盛り上がった。。

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2日間で2河川をそれぞれのバットを付け、テストしてもらった。
最初の選択したバットはAの強い方。

このAバットはティップの強さと上手く融合して、ついついロングキャストしたくなる性格のよう!
しかし、池田さんは何やらうかない顔。。
よく聞いてみると、思うようにフライがポイントに決まらないと言う。
そばで見ている私には、決してそう見えなかったのだが・・
旅館前でのキャスティング時は申し分無いと思ったのだが、フィールドでは・・・???であったと言う。


次の日はBバットのテスト。
そのロッドを手にし、釣っている池田さんから笑顔が戻った。
「いやー最高です」「昨日のバットから創造できないほどポイントに決まりますね!」
「これで行きましょう!」「このアクションで決定しましょう」

え・・・?  ハンサムボーイ開発の時は、何だかんだと7本くらい作り直した記憶から、
今回もそれ程では無いにせよ数回作る覚悟はあったが、一発で合格!!
正直調子抜けしたと言うか、本当に良いの?と戸惑いを隠せなかった。
しかし、池田さんの釣りを暫く見せていただくと、その意味が直ぐに理解できた。
確かに、スパスパ決まっている。
僕がオシッコしている間に、ハンサムボーイを取りにいったのでは・・?
と疑いたくなるぐらい、それは全く池田浩悦本領発揮のシーンが展開していた。

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シャンテ“Chantez"を作ったときも感じたのだが、正直ショートロッドって作るのが難しいです。
その辺まで飛べば良いというのならどんな人でも簡単に作れますが、フライロッドって本来そんな
ものではありませんから、短竿と言えどもしっかりキャスティング性能があり、長い竿と同等に使
えないと意味がなくなるからです。

短いと何が難しいかと言うと、ショートストロークでキャストし難くなるからです。
何故なら、投げたいラインの長さにもよりますが、ロッドティップの移動範囲が長い竿より短くなるゆえ
適切なティップの移動範囲を稼ぐには、人為的に腕を大きく前後に動かす必要があるわけです。
短い竿を使っているにも関わらず、腕を前後に大きく動かして釣りをする・・ってどうなんでしょうね?

では、どうすれば良いのか・・・?
それは手元で小さく動かしてもティップで大きく移動するアクションを作れば良いことになりますよね!
単純にこのメカニズムがパラボリックアクションの優位性ということになります。
手元は僅かしか動かしていないのに、ティップはその何倍も大きく移動すれば、わざわざ手元をティップの
移動量欲しさに大きく(長く)動かさなくても良いわけです。

しかし、このメカニズムもある程度ロッドの長さがあっての話です。
極端にロッドが短い場合、そのメカニズムに適合させるには、非常に良く曲がるアクションを作るしかない
からです。  これは正に本末転倒。。
リッツの著書にリッツ自身がショートロッドでHS/HLを投げる写真が記載されていますが、つまりショート
ロッドでもこんなに遠くへ、しかもこんなにコンパクトに振って・・というところをリッツは見せ付けたかった
んでしょうね! 今となってはあの写真の意味がよく理解できます。

さて話を戻すと、曲がり量が大きいという事は、単純に“弱い”ということを意味します。
先に述べたように、“その辺まで飛べば良い”のであれば良いでしょう。
しかし“その辺”なアクションは概ねループのベリーが金魚の腹ように膨らみやすく、ショートロッド
の使い道の本質から大きくそれてしまいます。
やはりキャスティングループもプレゼンテーションループもナローでタイトが基本ですから、金魚の腹は
どうやってもいただけません。。

ロッドティップの移動量は稼ぎたいけど、弱いアクションにはしたくない・・
この一見矛盾したメカニズムですが、バンブーという素材、パラボリックという構図、そしてハンサムボーイ
をリスペクトすることで最高のアクションを作り出すことに成功いたしました。

テストをしている池田さんの口から「ハンサムボーイユーザーがこのロッドを振るとびっくりするだろうなー」
と、実に嬉しそうに笑みを零されていました。。

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テスト終了に付き、今秋発売決定!
乞うご期待

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Author:GENIUS ROD MAKER
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