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2020-06

思い込みはいけない・・と痛感した日

先日懐かしいお客様から電話が入った。

「珍しいバンブーロッドがあるので、見てもらいたい」といった内容だった。
数日後、そのお客さんは抱えきれないほどのロッドを持って工房に来られた。

早々見せてもらうことに・・・
ケースから出てきたのは、ペイン、レナード、オービス、ペゾン・・等 全て歴史上の銘竿ばかり。
それは新品同様の物から、かなりくたびれた物まで色々あったが、流石銘竿 その存在感たるや・・
何とも表現し難いオーラが漂っていた。

僕はこれらの銘竿の価値を見て欲しい・・と言ってきたのかと思っていたがそうではなかった。。
その人の目的は、これらのバンブーロッドが一体何番で、どんな性格の物なのかを調べたかったのだ!
「え・・! これ全部振っても良いんですか?」
「勿論・・そのために来たのですから」
と言うことで、早速試投することに・・・

数あるロッドを片っ端から繋いで素振りをし、大体何番かを目星を付けとりあえず振ってみた。。
殆どがアメリカ製のロッドであるため、私はあまり期待していなかったのだが、素晴らしいロッドが1本だけあった。
ペインの8フィート6インチ3ピース。
そのロッドは、可哀想に一番大きなガイドが外れかけているくたびれ様で、ラインを通して一振りしただけで必ずガイドが取れる事が誰にでも予想が付く代物であった。僕はマスキングテープでガイドが取れないように養生し、まず5番ラインを入れてみた。

良いロッドと言うのは、ラインを通し、最寄の長さまで出す為の大きな一振りで解るのですが、そのペインは
他のどのロッドよりも群を抜いて素晴らしかった。

ロッドを庇いながら最初は比較的小さな動きと小さな力で様子を伺う。
大丈夫ですよ・・!とロッドが語りかけてくる。。
それならばと、本気で振って見る。
5番では少し軽く思えたが、フィールドで使うには良い。
念の為6番ラインも試してみたが、やはりロッドの仕事量が増えるためフィーリングは6番であった。。
それよりも、見た目のテーパーから想像を絶してロッド全体が良く仕事をする事に驚いた。
と言うのは、アメリカンアクションは非常にテーパーがきつく、言い換えれば“竹の子”のようなテーパー
になっている事が多い、このペインもそうであった。
こういったテーパーを持つロッドは、俗にティップアクションと言われ、ロッド全長の上半分が良く曲がり
それに加え、ティップ先端が非常に細く出来ているため、荷重が掛かりすぎるとたちまちそのティップが悲鳴を上げてしまい、全く釣りをするためのキャストが出来なくなる事が多い。
しかしこのペインは違った。。

ティップに負担を掛けて投げても、ちゃんと付いてくるではないか!
それどころか、太いバットもしっかりと仕事をしていることがキャストしていて良く伝わってくる。

以前も一度ペインを振ったことがある。
それはペインの中でも歴史上最も高値で売買されている、世界的にも銘竿である。
しかし、そのペイン・・  正直いって残念なアクションであった。。
この竿の何処が良いのか、全く理解できなかった思いに駆られたことを今でも覚えている。
その印象が強くあったため、ペインか~~~!であった。。
しかし、今回のペインは全く違っていた。
目から鱗である。。
こんなにテーパーをきつくしているのに、ロッド全体が良く曲がり、ウイークが無い。
全く不思議なロッドだ!
振っていてその感触と言うか、生理的に感じるロード感に良く似たロッドを以前振ったことがある。
それも日本人のロッドである。
私は今までに日本のバンブーロッドを数多く振って来た。
アクションはあくまでも好き嫌いがあるから、そこに優劣を付けることは出来ない。
使う人間が、そのロッドが要求する振り方をしてやればちゃんとラインは飛んでいくのだから、ロッドの評価は好き嫌いで片付けられない。
しかし、フライロッドとしての宿命と言うか、竿としての機能を果しているかどうかは別問題である。
私が振って来た日本人ビルダーロッドでこのロッドは凄い・・!と思ったロッドが今までに1本だけあった。
そのロッドが今回振ったペインと良く似ていた。
それを感じた時、あのビルダーは、やっぱり凄かったんだ・・とペインを振っていてその顔が浮かんだぐらいだ。

ご存知のように私は、ペゾンのPPPアクションが世界1だと思っています。
だからこそ、ペゾン無き現在、それに変わるロッドを・・をスローガンにやってまいりました。
ペゾンアクションを追求すればするほど、アメリカンアクションの成り立ちが理解できなくなり、最後にはあれは駄目だ!と言う色眼鏡で見ていたのかもしれません。
今回ペインの実力を肌で感じることが出来たと思っています。
以前振ったペインは4番。 あくませも私的感想としましたは、やはり海外のロッドは5/6番に良い物が多い!
って事を改めて感じました。 
しかし・・あのアクションは僕には作れません。
どうしたらあんな感触のロッドが作れるのか?
本気でフライロッドに取り組んだ人が作るロッドは無条件に素晴らしいって事でしょうね!

今更、アメリカンアクションを追求しようとは思いませんが、良い刺激を頂いた1日でした。。

ちょっと、アメリカンアクションに対する考えが、変わった1日でもありました。。







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