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2019-10

6' 6" #4/5 4P カーボン/グラス コンポジットロッド

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『6’ 6” 開発のお話』

いや〜今回は時間が掛かりました。
前回のアクション決定という投稿から約1ヶ月、その間も色々なフィールドへ出向き、
テストをしてまいりました。
感覚というのは慣れるもので、その竿ばかり振っていると、たとえその竿が問題有りであっても
使い続ける事で慣れて来ます。その慣れが実は怖い。。
だから、違う竿を使って慣れをリセットし、感覚が薄れた頃を見計らってまたテスト・・
その繰り返しでした。
また、こんな私でも調子のいい時や悪い時があるもので、何をやっても上手くいく一方で、何をやっても
失敗ばかりという、日頃はその繰り返しです。
うまく行く時は少々出来の悪い竿を使っても、イケてる自分がカバーするもので、”この竿良いかも!”
って勘違いさえ起こしてしまうものです。
勿論そこには、使い続けた結果の慣れも手伝っての事となりますので、そのロッドの善し悪しの判断が付きにくいとも考えられます。
前回の投稿で、一度決定したアクションをもう一度検証したところ、それとは違う物に落ち着いたと言った意味合いの文章を書きましたが、
その時が正にそれだったのでしょう。
それから1ヶ月、通算5回の釣行で、最終決定したアクションが、間違いないものかどうかしっかりとテストし、このアクションで間違い無い事を確信いたしました。




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「カーボンとグラスのコンポジット」
このロッドは、カーボンとグラスのコンポジットで出来ています。
その理由は、カーボン100%では、”ハリ”が強過ぎて、思ったアクションが出せなかったからです。
このことは前回の投稿でもお伝えしていますが、単純にカーボンでは強いからブラスを混ぜて、強い部分を緩和させれば出来上がり!
と言う物ではありませんでした。
そこには、グラスのマイナス要因がチラリチラリと顔を出すのです。

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最終決定するまでに、実に6本のタイプの異なるブランクを作りました。
うち4本がカーボンとグラスのコンポジットです。
 (弱)・(強) と言うようにグラスの容量を少しづづ変えたものまず2本作りました。
全て同じテーパーで作っていますので、それぞれにジョイント出来るようにしています。
つまり、ティップからバットまでを自由に組み合わせて、検証できると言うシステムです。
結論は、うまく行きませんでした。
全体的なアクション構成は良いのですが、思うようなフィーリングは得られませんでした。
そこで、(中)の強さでもう1本作る事にしました。つまり(弱)・(中)・(強)と3本のシャフトで検証する事にした訳です。

検証はこうです。
例えば、(弱)のセットを① (中)のセットを② そして(強)のセットを③ と番号付けをします。
そして、ティップから③+②+①+②と言うように、組み合わせを変えながら、一番フィーリングの良いものを見つけるのです。

やはり狙いは的中でした。
(中)を作ったお陰で、今までとは全く違う最善の組み合わせを見つける事が出来たのです。
そしてその組み合わせを、改めて1本作ります。
その組み合わせとは、①+②+③+② これを④と番号付し、全く同じ物が作れるかどうかを確かめます。
これで、今シーズン何とかリリースにこぎつけられるとたかを括っていたのですが、大きな問題点に気付いたのです。

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6’ 6”と言う非常に短いロッドで、私が理想とするアクションを出すには、それ以上長いロッドに比べてよりグリップ付近からスムーズに曲がる
アクションが要求されます。
と言っても、決してスローアクションで柔らかいロッドと言う意味ではありません。
ちょっと表現が難しいんですが、”ハリと強さの中にしなやかさがある”と言う物ですが、このアクションコンセプトは、ロッド自体短くなるとそれまでに作った物に比べて極端に難しいと痛感いたしました。
結果、カーボンではハリと強さは出てもしなやかさに欠けた為、グラスを織り込む事にしたと言う事です。しかし、このグラスを織り込んだ為に更なる問題が浮上いたしました。

新たに作った④(テストで最善の組み合わせだったもの)で、その後数回のフィールドテストをしましたが、時折変な違和感を感じたのです。
まさか、指定した組み合わせと違うものでは無いか?そう思い、元の組み合わせも使ってみたが、やはり同じ様な違和感を感じた。
その違和感とは、ミドルレンジからのフォワードキャストやプレゼンテーションで、一瞬・・ほんの一瞬であるがティップの反発が遅れる様に感じた。
特にバックループがしっかりとターンしないうちにフォワードに移った時などは顕著であった。

なぜ今まで気付かなかったのだろう? その違和感は、気になれば尚更大きくなる様に思えた。
考えられる事は、テストと称して如何なるエリアもそのロッドを使っていた事。つまりそれに慣れていた事。

④が出来上がるまでにしばらく時間があったし、その間の釣りは、大川でスペイを楽しんだりしていたから、慣れがリセットされた後の事であると言う事。
そして、もう一つの原因は、グラスを織り込んだ事で、グラス特有の反発性能の弱さが、ほんの一瞬顔を出すのでは無いか?

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これはまずい事になった・・

バックではしっかりとループを作ってやって、しかるべきタイミングでフォワードキャストや、プレゼンテーションするには何も感じない。
しかし、あえてタイミングをずらした時に感じるこの違和感。
長い竿でも使える開けた渓流では、バックスペースもあり、十分タイミングが取れるが、藪沢や被った流れでは理想的なキャスティング・・なんて言ってられないし、第一6’6”はそう言うとこれでの需要が多い。
正しいキャスティングでないと、正確にフライをプレゼンテーションできない竿は、今回のコンセプトでは無い。。
如何なる場合も、リストの動きにロッドが瞬時に同調してくれ、それでいて心地良く曲がっている感じのするロッド・・そんなロッドを求めているのにこれでは全くの未完成であった。
しかし、そのほんの一瞬の違和感を省けば、実にいい感じのロッドであったので、ほんの少し変えるだけで良くなるのでは無いだろうか?再び検証が始まった。

まず、反発が遅れるのは、ティップが弱い性かも知れないと考え、それより強いものに変えてみたが、良くなかった。
強過ぎるティップは、近距離のアプローチを極端に難しくしてしまう。
フォルスキャストの際、高度のあるラインを放出するに必要な最低限の強さでさえあれば、この竿はそれで十分なので、最初に選択したティップで間違いが無いと確信した。

ならばどうすれば良いのか・・・

数日間、仕事をしていても考える事はこのことばかりである。

さあ〜どうする・・・

また新たにブランクを作り直すには、時間が掛かるし、第一お金が掛かり過ぎる。
出来ることならそれは避けたい。。

ある日ふと一つの考えが閃いた。
バットを一つ強いものにして、サードセクションを一つ弱いものにしたら、生理的なフィーリングを変えずに違和感が解消するかも知れないと・・
強いバットも、数回のテスト中に試してはいたものの、少し強過ぎたと記憶していたので、それ以来そのバットに着目する事がなかった。
よく考えれば、強過ぎると感じたときの組み合わせは、全然違ったから、ひょっとして・・今回は行けるかもと思い始めた。

そして辿り着いた組み合わせは ①+②+③+② から ①+②+②+③ へ、サードセクションを③から②へ、バットセクションは②から③に変更して試すことにした。

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そうなると早くフィールドで試したくなるのが、世の常と言うもの。
ご注文を待っておられるお客様には大変申し訳無いのですが、仕事を何時もより早めに切り上げ、夕まずめに間に合う様に地元の渓流へ走る事数回。その結果は、見事に的中でした。
あの違和感は、曲がったバットの起き上がりが少し遅かったと判明した。
試しにサードセクションを元の③へ戻してみたが、やはりダメで、バットの強さが強調されるだけであった。
今回の事をデザイナーに話をしたところ、グラスの割合は僅かづつしか変えていないとの事。
僅かがどの程度か分からないが、ほんの少しグラスが多いだけで、こんなに変わるものなのかと知った。
グラファイトもそうだけど、工業品だからと舐めていたらあかんですね!
シートの質やカット方法で無限大に出来るアクションは、バンブーロッドの数倍、いや数百倍奥が深いかも知れません。
今回も大変勉強になりました。。

さて、つい最近お客様のお誘いで、鳥取まで釣りに行ってきました。
この時期はイワナ釣りがメインになる事から、最終テストの場として申し分無いと言う事で同行いたしました。
そこで、特に最初に感じた違和感や、性能不足等を感じなければ、本格的にアクションを決定です。
そして2日間の鳥取釣行でのテストは何の問題も無く無事完了。
私が求めている、意のままに操れる素晴らしいドライフライロッドが遂に完成しました。

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一言で言うと、物凄く良い竿!
その一言につきる。苦労して出来たので、自画自賛的要素もあるのですが(笑)
本当に良い竿が出来ました。

弊社にはシャンテと言うバンブーロッドがあるのはご存知だと思います。
お客様の中でもシャンテの評判が良く、沢山の人達に使って頂いております。
オーナーさんは皆、6'6"しか無いのに、短さを感じさせない不思議な竿と良く言われます。
何故そう感じるのか、未だ解明出来ずですが、何と無くですが良く飛ぶロッドだからではないか?と思っております。
ショートロッドでのロングキャストは、その短さ故に、ロッドティップの移動範囲が狭く、遠投に必要なストロークを意図的に作ってやらないと行けないのが一般論です。しかし弊社ロッドは、ショートストロークキャストで十分なティップ移動が得られる為、長い竿との振り分けを特に気にする必要が無いのが特徴です。
つまり長竿と同じ動作で遠くまで飛んでいくから、短さを感じないのでは…と勝手に想像しております。
今回のコンポジットも全く同じで、短さを感じない仕上げになっています。
指定番手は4/5で、少し開けた川で、そこそこ飛ばして釣りたい場合は4番、被った川で近距離からしかアプローチ出来ない様な場合は5番がお勧めです。

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大きく抵抗のあるフライを意のままにプレゼンテーション出来る、素晴らしいロッドがもうすぐリリースされます。
発売日や、価格帯等はまだこれから決定しますが、決まり次第またこのブログで告知致します。

期待を裏切らないロッドです。
皆さん、楽しみにしておいて下さい。

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