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2019-12

フロータントの在り方と使い方の考察


このフロータントの最大の魅力である長時間効果。それを英語にするとLong-lasting effect (ロングラスティングエフェクト)となるらしい。
当初は無印として販売する予定だったが、買う人がなんと表現したら良いのか?と言った問い合わせ等もあったということから、Long-lasting effect の頭文字を取って、L.L.Eフロータントと呼ぶ事に致しました。

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L.L.Eフロータントを発売するにあたり、色々とテストしてまいりました。正直今までこれ程までにフロータントのことを考えて釣った事が無かったが、今回を切っ掛けに、正しいフロータントの使い方や、フロータントに関しての知識を改めて知る事ができたと自負しております。
L.L.Eフロータントは現在、発売に向けて着々と準備を進めていますが、その発売を目前に皆様には、今一度このフロータントの正しい使い方と、フロータントの役目的メカニズムをお伝えしたいと思います。

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写真はイメージです。


「フロータントとはいえ浮力材にあらず」

フロータント、フロータントと世間ではドライフライに何らかの形で塗布して使う液剤全てをそう呼んでいます。
このフロータントと言命名の為、浮力材と思っている人も多いのでは無いかと感じています。
ドブ漬けするタイプや、グリースタイプ、そしてペーストタイプとシリコンやテフロンのスプレー式もそうであるが、これらは皆浮力材ではありません。
現在市販されていますフロータントで浮力剤としてその効果があるのは、パウダータイプだけです。
つまり、先に述べたフロータントは正確に言うと撥水剤という事です。
浮かす物ではなく、水を弾く物なのです。

パウダー以外浮力剤では無いのだから、浮力を増すことは無いのは明らかです。つまり本来フライそのものの持つ浮力以上の効果は得られないという事で、それを得たいのであれば、パウダータイプを使うべきという事となる。
一方撥水剤の効果とは、水を弾きまたそれの侵入を防ぐ役目をするもので、それを塗布する事で、バリバリに表面張力が効いた状態になったフライは水面に高く浮きます。
その様子を見ると誰でも浮力がアップしていると勘違いしてしまう。つまりそれが浮力剤と解釈してしまうのでは無いかと思うのです。
水の侵入をブロックする撥水剤を、正しくその効果を得るならば、やはりフライそのものが浮力に富んだパターンを選択するのが、最も好ましいと考えます。
いくら強力な撥水効果があるフロータントでも、フライそのものの浮力が乏しいと、あまり意味がなくなるのかもしれない。

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写真はイメージです。


「付けすぎ注意」

撥水剤と最初から分かっていれば、無下に沢山塗布してもしょうがない事は一目瞭然。しかし、浮力剤と間違った思い込みだと、沢山塗布すればもっと浮く!と思うのは当たり前である。
その結果、浮くどころか沈んでしまった…なんて経験をした方も多いはず。
それは、撥水剤を沢山吸い込んだフライは、重たくなって沈んでしまうなんて夢にも思わなかった…という事である。

撥水剤の正しい使い方は、先ず付けすぎない事である。
極少量の液剤をフライに塗布し、その後指先でフライ全体に馴染ませる。この程度で十分、と言うよりそれ以上塗布しても逆効果という事です。
この手のフロータントには、ディッピングタイプというものがある。ボトルに入った液にフライを漬けるあれです。
液にダイブさせたフライは、繊維の隅々まで液が染み込み、ボトルから引っ張り出したフライは、一風呂浴びた状態となって出てきます。この状態は撥水剤なのに着け過ぎという事になるのだが、あれは揮発性の高い液剤とシリコンないしはテフロンを混ぜたもので、強く息を吹きかけたり、フォルスキャストをする事で、余計な液剤は揮発し、撥水剤だけがフライ全体に薄く付着した状態になるというもので、指で馴染ませたフライと基本的に同じになるように出来ています。

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写真はイメージです。


「 フロータントの宿命とは持続時間である」

ドライフライを多用して釣っている方のほぼ100%の方は、何らかのフロータントを使っていると思います。つまりフロータントなしでドライフライをしている方は皆無だと言っても過言では無いのでは。
最近のフロータントはその性能も優れていて、大変優等生が多いのも事実である。
私も今回発売するフロータントに出会うまでは、何の疑いも持たず様々な物を使ってきました。
浮力が落ちれば塗り、落ちれば塗ると言った具合に、1日釣りをしていると、一体何回フロータントしたのだろう?
勿論その繰り返しは、当たり前のことであった為、何回なんて数えた事など、40年以上フライフィッシングをやっていて、一度もない。
しかしこのフロータントは、今までの常識を良い意味で裏切ってくれました。
使って頂ければ一目瞭然だと思うが、その効果の持続性には何度使っていても驚かされます。
簡単に言えばこういう事です。
薄く塗布する撥水剤は、フライ全体に満遍なく付着し、水の侵入する隙間を作りません。とここまではどんな物でも同じです。問題はここからです。付着した撥水剤は、マテリアルの繊維一本一本に強力に纏わりつき、長い時間剥がれることがないという性格を持った液剤に出会ったと言う事です。
優れたフロータントは数多ありますが、現代において浮くのは当たり前。問題は、その浮力がいつまで持続するか、つまり効果の持続性が長ければ長い、言い換えれば、長時間効果こそがフロータントの宿命と言えるのではないだろうか。

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写真はイメージです。


「ベト付かないサラサラ感」

ここから綴る全ては、今回発売のL.L.Eフロータントに関しての記述となります。

このフロータントは、大変良質のシリコンから出来ています。
一言でシリコンと言っても、その種類は無限大で、たまたま優れた物に出会えたのは、正に運が良かったとしか言いようがありません。
長時間効果が最大の売りですが、他に優れたところがもう一つ、それは塗布後暫くすると、フライがサラサラ状態になるという事です。
まるでタイイング仕立てのフライの様に、何も塗っていないかの様にサラサラになってくれ、その状態で撥水効果が長時間持続致します。
ついで効果として、フライに塗布する際、指に着いたフロータントを、ティペットやリーダー、フライライン先端1m程度塗っていただく事で、それらにもフライ同様の撥水効果が生まれ、しかもその効果が持続致します。
特にナイロンリーダーやティペットを使っておられる方にはお勧めです。

ナイロンは吸水する事はご存知だと思います。吸水したナイロンは、沈みが早くなり、ドライフライを長い時間自然に流す妨げになります。言い換えれば、常に沈み難いリーダー使う事は、ドライフライフィッシングにおいて大変強い味方になってくれる事は言うまでも有りません。
リーダーやティペットにグリースタイプのフロータントを塗った時の必ずあるベトベトした物とは違い、撥水効果を残した上に、サラサラしているから、フィールドでは砂や埃が付着しないのも非常に有難いと正直感じました。

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写真はイメージです。


「定期的な再フロータント」

長時間効果… では一体どれぐらい長持ちするのか?と皆さんの興味はそこにあるのではないだろうか。
数回のテスト結果によると、真っ新なフライに正しい方法で塗布して様々な流れにフライを流し、大凡ではあるが約1時間近く持続致しました。その間魚は掛けていない状態です。
また、塗布して数分で魚が釣れた場合、魚の大きさや、
口の中でどの様に掛かっているのかにもよりますが、2〜3匹釣った後でも、再フロータントしなくても浮力の衰えは顕著では無かったとテスト結果が出ました。
しかしこれは、塗布してから、1匹釣る迄どれだけ時間が経過したかによっては、1匹釣ったら浮力が落ちたと言うことも十分有り得ますので、あくまでも参考にしてください。
また、長時間効果があるとは言え、ナチュラルドリフトを繰り返した結果の事で、技術に問題のある方でも同じ結果とはなりませんので、付け加えておきます。

幾ら長時間効果といえども、1日釣りをする中、1回の塗布で済むわけはありません。
効果的に撥水効果を得るには、やはり定期的な再フロータントをしなければいけません。
そのタイミングも、テストで結果が出ていますので、案内したいと思います。

先ずフライをティペットに結んで、真新しいフライに塗布します。塗布した直ぐは、ハックルは濡れた様な状態になりますが、数分でサラサラ状態になります。
塗布して直ぐにキャストしても全く問題なく、釣っている間にサラサラ状態になって行きます。
そのなると、ポッカリと水面に乗っかる様に浮いてくれます。
やがて、その浮力も馴染んでくるのか、ポッカリから通常の浮き方へ変わって行きます。でもまだまだ大丈夫です。
ティペットが流れに食われ、軽い流れでも、それに引っ張られたフライが、浮力に負けて沈み始めたら再フロータントのタイミングです。この状態でもまだ、大丈夫ですが、早めの再フロータントをお勧め致します。これは、初回のフロータント処理で完全に水の侵入をブロックしている状態にしているため、その効果が無くなってからだと、水を吸ったフライの上からコーティングする事となるからです。
その場合は、躊躇なく新しいフライにチェンジし、1からやり直し、今まで使っていたフライは、パッチで乾かし、ローテーションする事をお勧め致します。
勿論、再フロータントする度に、ティペットやリーダーにも塗っていただく事をお忘れ無く。

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写真はイメージです。

「撥水剤に適したフライパターン」

繰り返しますが、フロータントとは言え、浮力剤にあらず!
撥水剤は、水を弾き飛ばすと言う援護射撃が最も得意と致します。しかしフライそのものに浮力が無いと、その援護射撃も効果は薄れます。
ありとあらゆるフライに効果的と言う触れ込みで販売しているフロータントも沢山あります。あのキャッチコピーは少々疑問に残りますが、弊社フロータントは、使う人の意思には背けませんが、お勧めはハックルがしっかりと巻かれたスタンダードパターンや、パラシュートやソラックスパターンでも浮力を考慮したプロポーションで巻かれたものは全てお使いいただけると思います。
また、浮力の乏しいフライでも、最初にこのフロータントを正しく塗布していただき、サラサラ状態になったら、この上からパウダーを塗布して頂ければ、その効果が無くなっても、その下で撥水効果が持続していますので、再パウダーの効果も高まります。
勿論浮力に富んだパターンでもこの方法をとって頂くことも可能です。
この様に、フロータントの性格を知っていただく事で、自分の使っているフライパターンに適したものを選択でき、その効果の程を最大限に引き出せるのです。

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写真はイメージです。


『ラインクリーナーとしての効果』

密着力に優れ、その効果が長続きする利点を生かして、ラインクリーナーとしてもおすすめです。
これも正確にはクリーナーとは言うものの、ラインを綺麗にするものではありません。あくまでも、汚れのない綺麗なラインの上に撥水剤をコーティングするとお考え下さい。
色々テストした結果、一番良かったのは、先ずラインの汚れをシンナーで取ります。シンナーとはホームセンターで手に入るラッカーシンナーです。
小さく折ったティッシュペーパーに少量のシンナーを付けて、ラインを挟み込み出来るだけ強い力で、汚れを取って下さい。シンナーなんて使ったらラインが駄目になるのでは?と想像される方も多いと思いますが、全く大丈夫です。
騙されたと思って一度やってみて下さい。恐らくビックリする程汚れが取れますから。
さて、綺麗になったラインにフロータント液を塗って行きます。この時、出来るだけたっぷりと塗って頂いた方が効果的です。実際にフィールドで使うであろう長さプラスアルファーに塗る事となるわけですが、出来れば2往復程度塗って下さい。塗るタイミングは釣りをする前日がお勧めです。
このフロータントは、あくまでもラインクリーナーとしての販売ではありません。なので市販のシリコンクリーナーに比べて、ツルツルした感じは、やはり専用の物の方がいい様ですが、弊社の物は、しっとりとしたスベスベ感を得られ、フィールドでもこの効果が長持ち致します。1日の釣りの中で、ラインの滑りが悪くなって来たと感じた時点で、また塗って下さい。

以上が、数回に渡りL.L.Eフロータントをテストしてきて、私なりに感じた事です。

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