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2020-08

厚巻ハックルの巻かた色々

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前回このタイイングで、ワイルドキャナリーの巻き方を私なりにお伝えしました。
今回は、前回ワイルドキャナリーでお伝えした巻き方とは違う方法を案内致します。


今回のパターンは、スペントバジャーです。
また、このハックリング方法は、後にジャシッドの巻き方も紹介しています。
興味のある方は、お入り下さい。。


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では、スペントバジャーのタイイングを、順を追って進めて参りましょう。
このフライも、マテリアルの指定が違うだけで、前回のワイルドキャナリーと全く同じです。
よって、細かなテクニックについては、前回を参考にして下さい。
http://geniusrod.blog118.fc2.com/blog-entry-811.html

■フックはSAWADAのリマリックスピナー#12で、アイの角度を変えてセットしました。
■テールはシルバーバジャー、ないしはゴールデンバジャーの長いハックルファイバーをシャンクに対して僅かに下を向く様に取り付けます。
■スレッドはそのままアイの付け根まで巻き戻します。


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■赤く染めたロードアイランドレッドのストークを、アイのすぐ後ろまで隙間があかない様注意して巻きます。

■余分なストークは、ハサミでカットせず、ハックルプライヤーで挟んでネジ切ってください。
こうすると、スレッドの際でストークが切れ、次の作業の邪魔になりません。


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■アイ2個分ほど後ろにウイングを取り付けます。
ウイングは出来るだけ、ケープから抜き取った大きさが、そのままウイングとなる物を選びましょう。
そして、写真でもわかる様に、左右のウイングが前方へカーブしている様な物を選んで頂くと、より一層格好いいウイングができあがります。

■今回は4枚のハックルで進めて行きましょう。

■取り付ける順番を説明致します。
①アイのすぐ後ろへ1枚
②スレッドを2回転テール側へ進めてそこへ1枚
③ウイングのすぐ前に1枚
④ウイングのすぐ後ろに1枚
と、計4枚のハックルを取り付けました。

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ここからハックリング作業が始まりますが、前回のワイルドキャナリーと違うのは、その巻き方です。
前回は、アイからテールに向かって2枚巻いた後、一番テール側に取り付けたハックルを最後にアイに向かって巻いていきました。
今回は、全てのハックルをテールに向かって巻いて行きます。

■まず、一番最後に取り付けたハックルから巻いて行きます。
■要点はウイングのすぐ後ろを大凡5〜6回転で巻きます。
最初の2〜3回転は、僅かにストークに隙間を残して巻き、ラストの2〜3回転は密に巻きましょう。
言うまでもなく、ハックルは進行方向が表になる様に巻きましょう。
■5〜6回転した後、スレッドで止めます。
そしてそのスレッドはハックルの中を2回転アイの方向へ巻き進めます。
この時ウイングの僅かに後ろに来る様にして下さい。


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■2枚目のハックルは、ウイングのすぐ前を1回転巻き、ウイングを追い越しテール側に4〜5回転巻き進めます。
勿論、最初に巻いたハックルを重なる事になりますが、最初のハックルの2〜3回転をラフに巻いていますので、その隙間し次のハックルが上手く入る様に、スレッドの位置まで巻いて下さい。

■2枚目が巻き終わったら1枚目と同じ様にスレッド止めます。
■スレッドは、ハックルの中を通りながらウイングのすぐ前まで移動します。
これで、ウイングの後ろのハックルは完成です。

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■3枚目のハックルも1枚目、2枚目と同じ要領で巻いて行きます。
このハックルはウイングのすぐ前を重点的に巻いて下さい。

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■最後のハックルはアイ付近を丁寧に巻き、残りは3枚目のハックルに重ねて巻いて下さい。



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■スレッドはやはりハックルの中を通って、アイまで移動し、ヘッドを作って完成です。

この方法はハックルをアイで巻き留めませんので、アイが非常に綺麗に巻けると言う事と、ドライフライとして理想的なハックルの形を作りやすいと言う事です。
この理想的・・については後からご説明致します。


【ジャシッド編】
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さて、ハックルの重ね巻(厚巻)の要領をもっと分かりやすくお伝えする為、今度はジャシッドを巻いてみましょう。
今回は、ハックリング作業をお伝えしたいので、そこまでの行程は割愛させて頂きます。

■写真は4枚のハックルを付け終わった物です。
■スペントバジャー同様1枚目はアイのすぐ後ろに1枚取り付けます。
■2枚目はスレッド約2回転後ろへ取り付けます。
■3枚目も同様です。
■4枚目も同様に取り付け、スレッドはウイングの付け根まで移動させておきましょう。
ここでも言うまでもありませんが、テールに向かってハックルの表側来る様に取り付けましょう。


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■4枚のハックルを取り付けた状態を横から見た物です。
注目して頂きたいのは、ハックルは同じ場所に取り付けていないと言う事です。
これは、ハックルそれぞれも役目がある為です。

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ハックルを巻く手順は、スペントバジャーの時と全く同じです。
ただ、ハックルの中心にウイングが有るかないかで、その作業性は大きく変わってきます。
つまり、ハックルの巻代に障害物となるものが無いだけで、かなり容易にハックルが巻けますので、慣れない方はまずジャシッド等のパターンで試して頂く事をお勧め致します。


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さて、続いては同じくジャシッドですが、5枚のハックルを巻いて見ましょう。
何度も言いますが、4枚の時と巻く手順や要領は全く変わりません。
コツとしては、4枚よりも僅かにハックルの巻代を多く取る事です。
1〜2mm程度でいいので、巻幅を確保致しましょう。

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完成まで一気にお見せしていますが、お分り頂けましたでしょうか。
1枚目のハックルを巻く時、最初の2〜3回転は微妙に隙間を開けて、そして最後の2〜3回転は密に巻きます。
スレッドは密に巻いたところからラフに巻いたところまで、約2回転で巻き止めます。
これは、ハックルの生え際を綺麗に巻く為のテクニックです。全てのハックルを同じ場所から同じところで止めると、どうしてもハックルファイバーが乱れ、格好良く美しく巻けなくなりますので。。


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先にご紹介したジャシッドと最後のジャシッドを比べた写真です。
つまり、4枚ハックルと5枚ハックルです。
もうそのボリュームは一目瞭然ですよね!
たった1枚巻足しただけで、これだけの違いがあるのです。

このボリュームは、どちらが良いと言う事で比較している訳ではありません。
行かれる川の状況や、好みで巻き分けて頂ければと思います。

ちなみに私の場合はこうです。。

ヤマメやアマゴは流れの比較的速い流芯付近を好みます。
勿論、そんなポイントは流れも激しく、波も上下に高い事が普通です。
また、夏の渓流では色泡のキワキワなどから良く出てきます。
そんな時は、浮力のタップリ有る超厚巻きフライを迷わず使います。
一方、岩魚釣りや穏やかな流れから出て来る様な状況では、浮力がありずぎるフライより、僅かにそれを抑えてフライを使う事が多いです。
でもね、まず最初にティペットに結ぶフライは、やっぱり超厚巻フライです。。
状況の如何に拘らず、それで釣れればそれで通したほうが、精神衛生上健全ですので。。。

あっ・・!
このハックリングの優位性の話を忘れていました。

さらに長文になるかも知れませんが、ドライフライを巻く為にはとても大切な話ですので、どうか皆さん最後までお付き合い下さいマセマセ。。。

🔶ハックルを前から後ろへ巻く理由と利点そして理想的な形とは・・について進めて参ります。

ご覧の皆さんはドライフライの正しいハックルの向きってご存知ですよね!
万が一知らなかった・・と言う方の為に説明しておきますと、ハックルはアイの方向が裏側を向く様にタイイングします。
ハックルというのは無造作にシャンクに巻き付けると、ファイバーの裏側方向へ僅かに傾斜しながら開いて行きます。
つまり表は上で裏が下になった状態です。 表→////←裏 という形になります。

ハックリングする時、進行方向が表に来た方が、巻き進んでいく方向へファイバーが倒れる事が無いので非常に巻き易く、しかも数枚のハックルを巻く作業も容易になります。

ではなぜアイ方向にハックルの裏がこなくてはいけないのか?
ハックリングにより裏側へハックルが倒れるということは、ハックル全体が逆さ毛針の様な形になりますよね。
その構造が俗に言う”ドラッグヘッジ効果”となり、分り易く言うと、ティペットで引っ張られるフライにハックルがブレーキを掛けると言うことです。

更にドラッグヘッジ効果をより一層具体化するには、ハックルの構造にもう一工夫加えればより効果的になります。
それは、ハックルの長さです。

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ちょっとこの図を見て下さい。
円すいを横向けた図です。向かって右はアイ側、左がテール側です。
つまり、アイに向かってハックルファイバーが少しづつ長くなって行ってると言う構造です。
実際にはこんな極端なテーパーは付いてませんが、ほんの僅かにアイに向かってテーパーが付く様に巻いてやると、よりいそうドラックが掛難い構造になりますし、水面で非常にバランス良く浮きます。

この状態を簡単に再現する方法の一つとして、ハックルの形状を良く観察して巻く事です。
今回の写真を良く見て下さい。
4枚であれ5枚であれ、ハックルの殆どが、まるでクリスマスツリーの様にテーパーが付いています。
つまり、ストークの根元のファイバーが長く、徐々に先端にかけてそのファイバーが短くなって来てるハックルです。
この様なハックルは、単純に何も考えずに巻くだけで、自然と円すい形になります。
これを良く有るテールからアイに向かって巻いたとしたら、逆円すい形となり、まるで新幹線の様な形となり、水面でも ティペットに引っ張られ易く、ドラックの掛易い構造となります。

ハックルの形状にオートマチック性があるものは良いんですが、ホワイティングやメッツと言った良質なハックルはどうするのか?これらのハックルは、大変良く出来ていて、ストークの根元から先端までほぼファイバーの長さが一定です。
なので、クリスマスツリーの様なハックルで巻いたときの様な、オートマチック円すい形にはなりません。
その場合は、ハックルファイバーの長さの違うものを4枚、また5枚使用して下さい。
つまり、テール側から少しずつファイバーの長いものを使って頂ければ、円すい形が作れます。
これを容易にするには、やはりハックルを巻く場所を明確に分けて巻くと言う事です。
いくら長さの違うハックルを選んだとしても、同じ場所から同じところまで巻いていたのでは、選別の意味がなくなりますので。。

良質のハックルは多くの場合、テールからアイに向かって巻かれる事が多いです。
しかしこの巻き方では、複数のハックルを巻く事は非常に難しいでしょう。
その理由は、先に述べた通り、ハックルはファイバーの裏側方向へ倒れながら開くので、巻いて行こうとする進行方向に倒れたファイバーが邪魔をするからです。

僕は仕事柄良く他人のフライやキャスティング等をYouTubeなどを見て、勉強と言いますか、参考と言いますか、とにかく色々暇があれば見ています。
どれも素晴らしいテクニックでフライを巻いておられる方(特に海外)ばかりですが、中には ん・・・????と言う方もおられます。
テール側からアイに向かってハックルを巻いておられるシーで、進行方向が表になって巻いている方、実は結構おられます。意図的に巻いておられるのであれば、何の問題も無いのですが、どう見ても「それ間違ってるよね!」っと言う方がいます。つまり巻いていく進行方向が表の方が、綺麗で巻き易いのですし、言い換えればハックルと言うのはそう言うものなのです。
近年のハックルが良質過ぎて、逆さま巻いていても、仕上がりが露骨に新幹線にならないし、フロータントも凄い良いものがありますので、ドライフライの本質的プロポーションより巻き易さ優先と言う事なんでしょうか?
でも、見た目が分からなくても、水に浮かべて暫く使うと、その性能は顕著なんですがね・・・


1枚のハックルをパラっと巻く程度なら進行方向をあまり気にしないでも良いとは思いますが、私の場合良質ハックルでも3枚から時には5枚は巻いたりしますので、その巻き方は、絶対的ルールがあるのです。

その他の利点として、今回の巻き方はハックル全体にスレッドで補強巻きをしていますので、非常に長持ち致します。
昔は安価で入手が簡単であったマテリアルも、近年は大変貴重な存在です。
良いテール材やウイング材は、本当に良い物に出会えるチャンスは、余程のコネが無い限り無理でしょう。
そんな中でも、どこどこに何何が有ったと聞けば、購入して来た言わば宝物の様なマテリアルで作るフライが、1匹2匹釣る程度で壊れてもらっては困る訳です。

ドライフライフィッシングとは何か・・? と尋ねられたら私はこう答えて来ました。
「ループをコントロールし、キャスティングを楽しむ釣りである」・・と。
これは私の師匠方に教えて頂いた奥の深〜〜い心得です。

では、ドライフライとはどんな物か・・・? と尋ねられたらこう答えます。
「良く浮き、良く見え、良く釣れる・・そして何より丈夫である事」・・事と。。
ドライフライの本質は、この言葉に尽きるのでは無いかと。。。


こんな浮世離れした拘り満載で、楽しんでいます私ですが、こんなフライで釣りをしたい!
釣れるフライより釣りたいフライを使いたい・・
そんな方達の参考なれば幸いです。

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